2016年熊本地震(Mw7.0)で生じた熊本市上水井戸ポンプ建屋の傾斜


凡例

2106年熊本地震で、市内約33万戸の世帯で断水が生じた主因は、汲み上げた水の濁度が上昇し、井戸ポンプが自動停止したことだった。濁水で止まったポンプを収納する建屋の多くは益城町の南西に広がる布田川断層下盤の地溝帯にあった。ここでは四隅に脚柱を持つ矩形のRCポンプ建屋の多くが様々な方向に傾斜するという異様な光景が出現した。大きく傾斜したポンプ建屋の傾斜方位、傾斜角を精密に計測したところ、いずれも例外なく、地下170~200mにも達する鋼製井戸シャフトを“突っ張り棒”にして、このシャフトから最も遠い矩形建屋の角の方向に0.7~2.2°ほど傾いていることが確認された。地下200mの鋼製シャフト先端と地表の間のいずれかの層厚が減少したことを示す証左であった。

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